日本工業大学 学生フォーミュラチーム Formula Friends of N.I.T.

マシン紹介




2017年度マシン 玖羅雲(くらうん) 
主要諸元
 型式名  NF08
 ボディカラー  pink
 ボディ  CFRP
 フレーム  Steel spaceframe
 全長  2757 mm
 全高  1283 mm
 ホイールベース  1540 mm
 トレッド(前/後)  1250 mm / 1250 mm
 車高  35 mm
 車両重量  237.0 kg (実測)
 ホイール  13inch RAYS TE37
 エンジン  HONDA PC44E 471cc
 最高出力 47 ps / 8500 rpm
 最高トルク 43 Nm / 7000 rpm
 サスペンション Front : Double unequal length A-arm outboard suspension
Rear : Double unequal length A-arm outboard suspension
 ミッション  6MT

「完走する力」を身に付けた、その先へ。

 2013年度のリタイアを経験した工房生が年々チームから卒業していく中、完走することの大切さをどう後輩たちへ繋いでいくか。これまでの日工大フォーミュラチームの在り方を引き継いでもらうべく「高内製率車・全員製作者、全種目完遂・完走、車両性能の更なる改善」をスローガンに掲げました。
 2017年度でも、コンセプトは引き続き「シンプル&ダイレクト」とし、車両の開発を開始。
 しかし、製作が予定よりも1か月遅れたことでシェイクダウンは延期。それでも、これまでのチームの歩みを絶やさず後輩に伝えるべく、フォーミュラ工房生に加えて4年生、院生までチーム一丸となって設計・製作したマシンが、この”玖羅雲”です。この名前は、カラーリングにトヨタ・クラウンの純正カラーで全身を染めたことから生まれました。
 時間が無い中でも”玖羅雲”の熟成に手を緩めることなく、アンダーステアの解消や燃調改善に向けてのセッティングを煮詰めたことで走行時の問題を解消。本大会のオートクロスで周回タイムを4秒短縮するまでに戦闘力を高めたと同時に、エンデュランスでは2015年度よりも好燃費を記録するなどより一層洗練されたマシンとなりました。
 デザインで大きくポイントを落としてしまった事から、総合得点および順位は前年度より後退。その中でもチームは4年連続完走を果たし、学生フォーミュラに本気で取り組む仲間たちと共に、完走し続ける力をしっかりと手中に収めたのです。

■2017年度大会成績

<静的部門>                       
種目 得点 / 満点 順位
コスト 52.28 / 100 13 位
プレゼンテーション 63.75 / 75 4 位
デザイン 72 / 150 37 位

<動的部門>                        
種目 記録 得点 / 満点 順位
アクセラレーション 5.076 秒 36.50 / 100 44 位
スキットパッド 5.538 秒 35.13 / 75 36 位
オートクロス 1 分 1 秒 617 88.60 / 125 24 位
エンデュランス 1517.729 秒 148.35 / 275 29 位
燃費 10.64 km/L (※) 85.22 / 100 7 位
(※)Efficiencyイベントのスコアは燃料消費量以外の要素も加わるため、あくまでも参考値です。

<総合成績>               
種目 総合得点 / 満点 順位
総合成績 581.84 / 1000 17 位(全 94 チーム出場)

<特別賞>
・日本自動車工業会会長賞(完走賞)

<フォトギャラリー>

  • おそらくFSAE史上、前代未聞ともなるフレーム・カウル共に全部真っピンクのカラーリングを施された”玖羅雲”。大会では例年通り、多くの来場者から注目を浴びることとなりました。

    • この年からリアバルクヘッド後方にボックスを追加したことで、タイヤからの応力を分散しやすいアームレイアウトに変更できるようになり、リアジオメトリの剛性が向上しました。

  • ラジエター冷却用のファンにシュラウドを装着したことで、ファンが空気を100%ラジエターから吸い出す構造になり、冷却効率UP。これによりオーバーヒートを解消し、問題のエンデュランスでは水温をエンジンにとって最もコンディションの良い90度台で安定させることが出来ました。

  • マシンの低重心化を図るため、フロントフレームとリアフレームの地上高を下げました。これに伴ってロワアームの付け点が前年度より下がったことで、ロールセンター高が重心位置から離れロールモーメントが低減される...という筋書きでしたが、残念ながらこれは不発。

  • 車検で一発合格できなかった騒音検査とチルト試験。チーム内車検を実施した時と異なった結果にメンバー全員が愕然。チルトではダンパーの減衰力UPで通過できましたが、騒音ではやむなく修理工房にて排気口を絞り、どうにかクリアしました。

  • 最終減速比の変更により本来ならば加速が鈍るところを、アクセラレーションでは園田のトライで記録を0.13秒短縮しました。

  • オートクロスでは、ベテランの宮内が2016年度からタイムを4秒縮め、順位も30位から24位にランクアップ。エンデュランスでも安定した走行を見せ、前年度以上の総合力を発揮しました。