日本工業大学 学生フォーミュラチーム Formula Friends of N.I.T.

大会について

■大会ルールの概要

参加車両は、学生が構想・設計・作成したもので、FSAE®の規定を満たすこと。過去の大会に参加した車両のフレームは使用できない。車両の構成部品についても、安易に市販品等を用いるのではなく、出来る限り学生自ら製作することをモットーとする。 また、プロの技術者・研究者の情報を利用すること、設計の基礎・安全に車両を製作するための方法に関する指導・支援を受けることは許容するが、設計仕様を決定したり設計図を書いてもらうことは許容しない。

安全面については厳密で緻密なルールにしているが、学生たちの知識、独創性、構想力が大いに発揮できるように、安全要件を除いた設計上の制約は必要最小限にしている。
参加資格は、大学院、大学、短大、高専、又は短大相当の専門学校の18歳以上の学生が対象。なお、競技会の7ヶ月前までに卒業した者は参加資格を有する。

■主な設計要件

  • タイヤがカウルで覆われていなく、コクピットがオープンなフォーミュラスタイルの車両であること。
  • 4サイクルピストンエンジンで排気量710cc未満。オリジナル設計の過給機の装着は可。リストラクター(吸気制限装置)の最大直径は20mm。使用燃料は100RON(リサーチ法オクタン価)の無鉛ガソリンとする。
  • ホイールベース1525mm以上。トレッドは、フロント又はリアの大きい方に対して75%以上。ホイールは8インチ以上。
  • 排気音量は、排気口から水平面45度、50mmの位置でアイドリング時103dB、所定の回転数で110dB以下。
■主な安全要件

  • 車両の横転・正面衝突・側面衝突時にドライバーを保護するために、メインフープ、フロントフープ、フロントバルクヘッドおよびこれらのブレースやサポート、側面衝突保護構造体などについて構造・材料などの詳細を規定。
  • 車両前端からメインフープ又は防火壁の間のドライバー区画に開口部がないこと(コクピット開放部に関して定めることは除く)。
  • 衝突エネルギーを吸収する装置として、フロントバルクヘッドの前にインパクトアッテネータを取り付けることを規定。
  • ドライバー安全規則として、拘束システム(5又は6点式シートベルト)、保護用具(ヘルメット、スーツ、手袋、シューズなど)、視界、ヘッドレスト、ドライバー脱出時間(5秒以内)、横転限界角度、防火壁、消火器、ドライバーの脚、足の保護等について詳細を規定。
  • ブレーキは4輪すべてに作動し、独立した2系統の液圧回路を有すること。ブレーキの踏みぬけのような事態が発生した時にそれを検知しエンジンを停止させるオーバートラベルスイッチを装備。
■主な競技要件

  • 静的競技のうちコストと設計については、所定のコストレポートと設計レポートを大会の約2ヶ月前までに提出を義務づけ。
  • 車検に合格し、車検ステッカーが貼られた車両でなければ、プラクティス走行および動的イベントに参加できない。
  • 動的競技は一人のドライバーが二つまでの競技を運転することができる。エンデュランスと共に燃費も評価するが、これは一つの競技としてカウントする。一つの競技で4回走行する際は、二人のドライバーが2回ずつ走行する。

競技種目と概要
競技種目 競技概要 配点
車検 車両の安全・設計要件の適合、ドライバーの5秒以内脱出、ブレーキ試験(4輪ロック)、騒音試験(アイドル時103dB、所定の条件で排気音110dB以下)、チルトテーブル試験(車両45度傾斜で燃料等の液漏れ無し。ドライバー乗車時に、車両60度傾斜で転覆しない)。



コスト 予算とコストは、生産活動を行うにあたって考慮しなければならない重要な要素であることを参加者に学ばせることが狙い。車両を見ながら事前に提出したコストレポートのコスト精度、チームによる製造方法等を確認し、レポートのコストと車両との適合を審査する。一般に購入品目となる2項目について、部品製造プロセスなどの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価する。 100点
プレゼンテーション 学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い。プレゼンテーションは、『競技のコンセプトに沿い、製造会社の役員に設計上で優れていることを確信させる』という仮想のシチュエーションのもとで行う。 75点
デザイン(設計) 事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する。具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などについて口頭試問する。 150点



アクセラレーション 0-75m加速。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。 100点
スキッドパッド 8の字コースによるコーナリング性能評価。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。 75点
 オートクロス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約800mのコースを2周走行する。各チームで2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。エンデュランスは、このオートクロスのタイムによって走行の順番が決定される。 125点
エンデュランス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を約22km走行する。走行時間によって車の全体性能と信頼性を評価する。 275点
燃費 エンデュランス走行時の燃料消費量で評価する。 100点
合計 1000点


※ここに書かれているF-SAEのレギュレーション及び得点は、2017年度規則に準拠しています。